07-30-2005 | マスコミの学校

23:14 | カテゴリー: | トラックバック (0)

今、TBSの『ブロードキャスト』を見ていたら、政治部の記者が、「野中さんのような人がいたら、自民党は混乱しなかったのではないか」と言う意見あると言っているのを聞いて、ぶったまげた。とんでもないと思う。自民党の政治を密室政治にした元凶はあの人ではないか。大衆が情緒的なことを言うのを、政治部の記者があのような形で語るのは、いかがなものか。

昼間は、『WILL』編集長の花田さんが校長をしている「マスコミの学校」に、ノンフィクション作家・佐野眞一さんの講演を聞きに言った。なぜかというと、来週、私もその学校で講演しないとならないからだ。
何度もあちこちに書いて来たし、言っても来たが、基本的に私は講演はやらない。私にとっては、書いたものがすべてであって、それ以上言葉で語り伝えることはない。と考えているからだ。更に壇上からものを言うのも、私の気分に合わない。
それなのに、なぜ来週やるのか? と言えば、花田さんには、逆らえないからだ。
花田さんには恩義がある。花田さんがいなかったら、私は文章を書くことを、今のようにしていなかっただろう。十何年か前、花田さんは週刊文春の編集長で、ミスター文春と呼ばれるほど勢いがあった。もちろん週刊文春は日本一売れている週刊誌だった。そこに、物書きとしては無名の私に、エッセイ連載の場を与えてくれたのだ。それも見開き2ページで。
当時は、そのことにあまり重みを感じなかったが、今思えば、花田さんが、どれほど大きなチャンスを私に与えてくれたのかということが、よくわかる。
今回も、「頼むな」という電話が来て、断れなかった。「え〜・・・講演きら〜い」と言う私のささやかな反論も無視。「やるんだよ、頼むな」と言うなり、電話を切ってしまった。どういう人の前で、いつやるのかも、その後、事務局の人から聞いたくらいだ。
慣れないことなので、とりあえず生徒の顔と、その学校の雰囲気くらい見ておこうかと思って、出かけた訳だ。
佐野眞一さんの話は興味深く、2時間もアッという間。ノンフィクションの仕事の大変さ、佐野さんのこだわりもよくわかったが、くわしくは書かない。佐野さんの本を読んでくれれば、その作家としての肝の据わり方もよくわかるだろうから。私も佐野さんの本は、『東電OL殺人事件』と『だれが「本」を殺すのか』を読んでいるが、帰り道、三日前に出たという『阿片王』を買った。
農作物も採れない貧しい土地満州が、短い間でもなぜあのように繁栄したか。それは阿片の密売で巨額の資金を生み出していたからだという。満州事変は、言い換えれば阿片戦争であり、その阿片密売を仕切った謎の男の生涯を描いているという。
深い闇の中で底光りしている人間を見つけ出すことも、ノンフィクション作家の才能のひとつだと思った。
という訳で、さて来週は、何をしゃべろうかな。

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